C-08立体-しくみ工作

美術的要素と理科的要素を融合したカテゴリーです。

最近まで「造形あそび」と呼んでいたカテゴリーです。こどもたちの大好きな、あそびに力点を置いたカテゴリーも作ろうというねらいです。名前を「しくみ工作」と変えたのは、遊びというよりも、「遊べるものを自分で作る」ことがテーマになっているため。その「遊べるもの」も、図工ランドでは、動いたり変形したりするしくみのおもしろさを生かすものに焦点をあてています。しくみを理解して自分で作り、それぞれのアイディアや造形をそこにのせていく、そういうカテゴリーです。しくみそのものは、ごくシンプルで、こどもにも理解しやすいものです。工作としては、そのしくみをうまく動かさなくてはなりませんが、手作りですので、なかなか簡単ではありません。うまく動かすためには、しくみを理解するだけでなく、そのしくみが動く各部分について、力のかかり具合などを自分であちこち調整していく必要があり、その点に難しさもあるカテゴリーです。例えばびっくり箱。

こどもたちを魅了するテーマで、アイディアもいろいろ出てきます。とても楽しく作れるのですが、いざできあがったものを箱の中へ納めてから、ひっかかって出てこなかったり、飛び出すいきおいでせっかく作ったものがこわれたり。確かめてはまた作り直したりしながら、作り上げていく必要があります。けっこうたいへんです。もちろんアイディアや造形の美しさも大事ですので、楽しいながらもあなどれない手強さがあるのです。

マジックハンドも動きが楽しい工作です。簡単そうに見えますが、動きをじゃましない工作を考えなくてはなりませんし、先端にあまり重いものをつけるのもうまくいきません。

ふりこ工作と名付けたこちらの課題は、ピン接合をした縦横の部材が、振ることで角度を変えるというシンプルなしくみ。このしくみを使って何ができるか考えよう、という工作です。いろいろなアイディアが登場します。これも動きを確かめながら作る必要があります。

こちらは斜面を作って、そこに小さな球を転がす「コロコロ工作」。上から少しずつルートを作り、球の動きを確認しながら、盤面から飛び出さないよう、下まで持っていきます。某TV番組のピタゴラ○イッチのようで、こどもたちも大好きなテーマです。動き方やしくみはそれほど複雑にする必要はないと考えています。こどもが自身で考え、動き方を試して、うまくいかなければ調整する。その過程が重要です。

それをさらに進化させて、立体にしたのがこちら、「コロコロ3D工作」。チューブの中や、それぞれに作ったルートを球が転がっていきます。小さい子も、かなりダイナミックに作っています。球が飛んでいってしまったりするので、騒ぎも大きいのですが、みんな楽しそうです。

回転もこのカテゴリーで様々に扱う動きのひとつ。回る動きをいかした工作を2つご紹介します。

こちらは昔なつかし「糸巻き車」の原理を使った課題です。輪ゴムに棒をかけて巻き、ねじりを与えて、ゴムが巻き戻る力で進むしくみの車です。昭和の時代は糸巻きでしたが、この課題では透明のプラカップ。中のゴムが見えるところが現代的です。走る車にするのが基本形ですが、中には軸を持ってコップの方を高速回転させるおもちゃにした子もありました。ゴムの巻きが足りないと動かないし、逆に巻きすぎると切れてしまうハプニングもあり、手作りおもちゃの加減は、体験しながら調子をみていく必要があります。

風の力を使って回る風車。風車もいろいろな形をこれまで作っています。こちらはサボニウス形風車。紙筒を半分に切って、ずらしただけの形ですが、ちゃんと作ればよく回ります。扇風機の前にかざして、回転するか確かめながら作っていきました。風車の部分はみなほぼ同じ形になるのですが、回ったときの色や模様の変化を楽しんだり、思い思いに飾り付けたりして楽しみます。

課題にするためには、こどもたちに取り組めるように、これまでの図工ランドの工作のノウハウを駆使して、研究と開発を繰り返しています。楽しい動くしくみはまだまだいろいろありますし、これからもいろいろなしくみを登場させたいと考えています。

 

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